第14話 「“かわな式フル予想”が生まれるまで」

競馬ストーリー連載|第14話
「“かわな式フル予想”が生まれるまで」
――データと感情がぶつかり合い、整合するまでの物語
▼ 予想に迷いがなくなったのは、ごく最近のことだった。
「かわな式フル予想、安定してきましたね」
「精度高すぎてビビります」
そんな言葉をいただくことが増えた。
でも本当のところを言うと、
今のかわな式にたどり着くまでは、本当に長い道のりだった。
指数に傾きすぎた時期、
追い切りに溺れた時期、
展開に固執して負けまくった時期…。
「データは完璧なのに外れる」
「感覚に頼ったら当たった。でも理由は曖昧」
──その繰り返しの中で、
僕はずっと、“理屈と感情の整合性”を探していた。
▼ 最初にこだわったのは「指数」だった。
「まずは根拠のある強さを信じよう」
そう思って注目したのが、日刊コンピ指数。
膨大な過去データと照らし合わせて、
勝率・連対率・複勝率を何年も遡って検証した。
特に「1〜3位の中に必ず馬券内がいる」という傾向に目をつけ、
軸候補をまずここに固定した。
当時はそれだけで精度が上がった気がしていた。
でも、それだけでは“抜けた軸馬”には出会えなかった。
▼ そこで次に重視したのが「展開」だった。
「どんなに強くても、詰まったら終わる」
「スローで逃げ残りの流れになれば、全てが変わる」
そう考えるようになってから、
隊列、ペース予測、脚質構成を予想の柱に取り入れた。
先行馬が揃いすぎているレースでは、
中団待機型や差し脚質を評価するようになり──
逆にハナ主張できそうな馬が少ないレースでは、
思い切って「逃げ残り」を本命に据える。
ここで初めて、“人気薄を狙って勝てる感覚”が芽生えた。
▼ だが、それでも“裏切られる”ことがあった。
展開も指数も当てはまっているのに──
負ける。
その理由を探していく中でたどり着いたのが、
「追い切り」だった。
▼ 追い切りのラップ解析に出会い、視界が一変した。
それまでは「調教A」とか「動き良さげ」とか、
主観的な評価に頼ることもあった。
でも、自分なりの基準で追い切り評価を整理し直したことで、
「この馬は仕上がってる」「この馬は明らかに緩い」が
数字と比較できるようになった。
それは追い切りタイムの計算式からなる急加速値。
計算式から算出した数字を追い切りメニューに合わせて判断する。
坂路、美W、CW、DPなど全ての追い切りメニューにおいて調節する。
小倉ダート、札幌ダート、函Wももちろんデータ化している。
特に、加速の鋭さ・脚の質を客観視できるようになってからは、
「なぜこの馬が来たのか」の答えが格段に見えてきた。
この要素を“不可欠な評価軸”として組み込んだことで、
かわな式の土台がようやく固まってきた。
▼ こうして「コンピ×展開×追い切り」の三位一体が揃った。
ここまで来るのに2年かかった。
しかも、どれか一つでも手を抜くと、精度は落ちる。
でも逆に、この3つの整合性が取れたとき、軸馬の信頼度は驚くほど上がる。
▼ さらに“選び方”にもルールを加えた。
- 軸はコンピ1〜3位から。
- 相手はコンピ1〜8位以内から夏場は10位まで。
- 脚質は基本「先行馬」優先。
- クラス別に調教基準を設定。
- 馬場・枠順・逃げ先行の並びを加味。
これらを表形式で一覧化し、完全ルール化。
「かわな式フル予想2025」へとアップデートされ、
会員様にも“再現できる”仕組みとして公開された。
▼ でも、そこには“人の心”もちゃんとある。
全てがデータ、全てが数字ではない。
ときに思い切って消したくなる1番人気、
ときに追い切りが不明確な中での選択。
「でも、この馬を応援したい」
「どうしてもこの展開になりそう」
そんな競馬人としての感覚も、かわな式には残している。
▼ かわな式は、単なる戦術じゃない。
これは、自分自身を守る方法でもあった。
感情で突っ走って失敗した自分。
勝ちたいだけでブレた過去の自分。
負け続けて、自分を嫌いになりかけた日々。
そうならないために、理由を作り、ルールを作った。
▼ かわな式は、“迷った自分”の救いの方程式だった。
勝てない日々。
何を信じていいか分からなくなった時期。
「もうやめた方がいいのかな」とすら思ったこともあった。
だけど、
「この指数を信じよう」
「この馬の過去を見よう」
「この展開なら、この馬は残れる」──
そんなふうに、自分で“言葉にできる理由”をひとつずつ積み上げていったら、
いつしか競馬が、怖くなくなっていた。
かわな式とは、**迷ったときに立ち返れる“地図”**だった。
不安になったときに、「ここに戻ればいい」と思える、心の拠り所だった。
そして今は──
あの頃の自分と同じように、
迷いの中にいる誰かに、それを届けることが、僕の役割だと思っている。
「いま勝てていない自分でも、大丈夫ですか?」
「毎週負け続けていて、自信がないんです」
そんなふうに声をかけてくれた会員様に、
僕はいつも、こう返す。
「僕も、そうだったから分かります。」
「だからこそ、一緒に“理由のある競馬”をやっていきましょう。」
かわな式は、僕の過去が作ったもの。
そして今は、それが誰かの“これから”を照らすものであってほしいと、心から思っている。
▶️ 次回予告:「“予想の活かし方”を知らなかった頃の自分へ」
どんなに当たる予想も、買い方を間違えればすべて無駄になる。
買わない勇気、引く判断、資金の濃淡。
そして──自分の“欲”とどう向き合うか。
次回は、馬券術の裏にある「心の戦術」を語ります。